積み上げよう②

2年生から取り組む問題に天秤があります。

図のような2つのつりあっている天秤をみてAとBの重さを求めます。AとBが合わせて9gでAの方が5g重いので、9gのうち5gをまずAに渡し、残りの4gを半分にします。Aは7g、Bは2gとなります。

 これを公式のように覚えようとする子は、「まず引いて、それから2で割って、あとで足す」というふうに深く理解せずに解いてしまします。すると、この問題は解けますが、次の問題はどうでしょう。

「犬と猫が合わせて16匹います。犬は猫より2匹多いとき、犬と猫はそれぞれ何匹でしょう。」

「たての長さが横の長さより1cmだけ長い長方形のまわりの長さが30cmのとき、たて、横それぞれの長さを求めましょう。」

「父の日に2600円のプレゼントを、兄弟2人でお金を出し合って買います。兄の方が400円多く出すにはいくらずつ出せばよいでしょう。」

 全て天秤の問題が理解できれば簡単に解けるのです。量をこなすより1つの問題をじっくり考える時間を取ってあげてください。お母さんが「ほら、こうするんでしょ。」と導くのはよくないです。子どもが間違えたときに嫌な顔をしたり、がっかりしたりするのもよくないです。そうすると、子どもは間違うことを極端に嫌がり、分かったふりをしたり、間違えたことを隠したりするようになります。できなかったことができるようになる喜びや、試行錯誤の末に解けた喜びを知っている子は強いです。粘り強い子を育てるためには、お母さんにも粘り強さが必要です。子どもが間違えたときだけ口を出すのではなく、解けた問題を「どうやって考えたの?」と聞いてあげてください。プロセスを大切にしてくださいね。国語の読解問題も同じです。深く考えずに文章の中にある答えらしいものを探す作業になっている子が多いです。じっくり取り組むうちに脳内に新しいネットワークが生まれてきます。