言葉の発達 (for baby)

 言葉の発達にはお母さんの語りかけが一番効果的です。

 「クーイング」といわれる喉の奥から出る言葉にならない声を出すことから、言葉の学習は始まっています。「あーあー」「うーうー」など、2音節の喃語から、「マンマ」など意味のある語を言ったりするようになります。その後、意味のある言葉を話すようになってきます。それまでには言葉の理解が必要です。意味が分かる言葉が頭の中にたくさんインプットされた上で話せるようになってきます。

 まず、言葉が出る前段階として、指差しをさせましょう。指差しは「ことばの前のことば」といわれ、非言語的なコミュニケーションをとるための手段です。月齢を経るにつれて、自分の興味関心を、お母さんに伝えたいと思うようになってきます。言葉を話すだけの語彙がまだないので、手や指を使って興味関心のある対象を指し示し伝えようとします。たまらなくかわいいコミュニケーションです。

 指差しによって赤ちゃんとお母さんとのコミュニケーションが成立するようになり、知能もぐっと高まってきます。早くに指差しを始めるための働きかけとして、お母さんが指差しをしてあげてください。絵本を読みながら、「赤いボール」「いぬ」と絵を指差したり、部屋の中にあるものを指差して、「これはコップよ」「これは椅子よ」と言ったりするのもいいです。また、お母さん自身の顔を指さして、目、耳、鼻…というのもいいです。これらは、物と言葉の一致にもつながり言葉の習得にも役立ちます。

 お母さんのすることをじっと見てまねをするようになると、並行して、赤ちゃんの指がしっかり出るように指のマッサージをしてあげてください。レッスンで行っているブラブラポトンも効果的です。

 物がつかめるようになったら、「選ばせる」練習を始めましょう。2つのものを見せ、「どっちにする?」と選ばせてあげてください。最初は手のひら全体でつかみにくる感じでも、徐々に指をさして選べるようになります。指をさして選んだら、それを、「どうぞ」と言って渡してあげてください。選ぶということは考えることの第一歩です。この時、選択肢が多くなると興味がそれてしまうことがあるので、まずは2つにしてください。この「どっち」あそびも親子のコミュニケーションの一つとなります。

 テレビのついた部屋ではコミュニケーションは育みづらいです。テレビからは一方的な情報が絶え間なく流れてくるので、子どもは受け身になってしまいます。まだテレビの内容が分からないから大丈夫というものではありません。子どもがお母さんを見たとき、お母さんも子どもを見てあげてほしいのです。お母さんと子どもとの直接のやり取りが豊かな言語能力を育みます。