オノマトペ

 問題です。□に入る言葉は何でしょう。日が□暮れる。①どっかり ②どっしり ③とっぷり ④どっさり 答えは③ですが、「とっぷり」なんて言葉は日ごろ聞きなれないので難しいですね。「日がすっかり暮れる。」という言葉でも正しいです。また、「とっぷり」は「お風呂にとっぷりつかる。」という言い方もします。では、①②④はどんな使い方をするでしょう。①床にどっかりと座る。②彼はどっしりした体格だ。④お菓子をどっさり食べる。などですね。

 先日、擬音語・擬態語・擬声語の学習をしました。これらをまとめて「オノマトペ」ともいいます。「ぐったり」「まったり」「ちゃっかり」など状態を表したり、「ドーン」「パラパラ」「ワンワン」「えーん」など音や声を表したりします。雨の降り方も「しとしと」「ポツポツ」「ザーザー」とオノマトペを使うことによって具体的に情景を伝えることができます。

 宮沢賢治は独特のオノマトペを使っていたことで知られていますが、「風の又三郎」の冒頭部分「どっどっど どどうど どどうど どどう 青いくるみも吹きとばせ すっぱいかりんも吹きとばせ どっどど どどうど どどうど どどう」なんて力強い響きを感じワクワクしてきます。「やまなし」では「クラムボンはかぷかぷわらったよ」と不思議な響きに引き付けられます。

 3月のフラッシュカードにあった、松尾芭蕉の「梅が香に のっと日の出る 山路かな」の「のっと」なんて山道から梅の香りに誘われて朝日が顔を出す雰囲気が伝わってきますよね。「ぬっと」では不気味だし、「のっと」なんていい表現だなあなんて思います。

 スティーブ・ジョブズは、プレゼンテーションで、画面をスライドさせるときに、「ブン」と言って観客を愉しませ、オノマトペをよく使うので「オノマトペの魔術師」と呼ばれたそうです。長嶋茂雄さんは、「ビューッと来たら、ググっとしてバシンと打て」というような指導をしていました。他の言葉を使って説明するよりイメージしやすいですね。

 さて、このオノマトペですが、わからない子にはさっぱりわからない様です。どう学習すればよいのでしょう。

 それは、たくさんの言葉にふれることです。例文を読んで自分で短文を作ってみるのもいいですね。まずは、面白い絵本を買いました。教室に置いていますのでぜひ、手に取って読んでみてください。

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 小学生にはプリントを作りました。どんなオノマトペを入れるか練習しましょう。そして、作文にも取り入れてみましょう。生き生きした文章になりますよ。