受験体験記Hくん②  

 目覚ましい成長を遂げて合格を勝ち取ったHくん。

 彼とお母さんとの関係が素晴らしいなといつも思います。Hくんの意見を尊重し、成績に一喜一憂しない。お母さんが「私は何を手伝えばいいでしょう。」と聞いてこられたので、「Hくんに聞いてみてください。」と言うと、Hくんは「ぼく、国語のプリントをすることをすぐに忘れてしまうから、プリントしたか聞いて。」と言ったそうです。いい関係ですよね。

 受験前のご家庭では、母「プリントしたの?」子「もう。今からしようと思ってたのにー。」と、口を出すといやな雰囲気になる。だけど、口を出さずにいられない。これはもう定番ですよね。

 Hくん親子はいい関係を保っていたから、彼がずっと前向きでいれたのだと思います。台風の話をすると、「今は違うから。」と。とってもかわいいHくんです。

 妹ちゃんもいい子です。「難しい問題でも、解けるようになると面白いな。」なんてかわいいことを言ってくれます。

 Hくんのお母さんが書かれたコメントが、学習とは本来こうあるべきだと思わせてくれます。紹介させてください。

 Hが中学受験を経験して一番に感じたことはHの話が面白くなっていくことでした。国語の宿題やテスト、その中に出てくる物語や論説文、いろいろなジャンルの文章を読んだことで息子の世界が広がっていくのを会話の中から感じました。理科でも音の伝わり方や月の動き、面白いと思ったことを私に解説してくれるのを聞いていると、新しい知識を得る楽しさを知ったんだな。うらやましいな。なんて思ってしまいました。友達と遊ぶ時間が減ってしまうことを寂しく思うこともありましたが、得難い経験ができたんじゃないかなと思っています。(全文)